第264章

黒田輝は頷き、蜂の巣の処理に取り掛かった。

 俺はその横に腰を下ろし、焚き火に薪をくべる。

 夜が更けていく中、黒田輝は土殻のついたハチミツを切り出し、俺のナイフと樹皮で編んだロープを使ってまとめていく。

 帰るときは体にぶら下げていけばいい。この寒さだ、腐る心配もないだろう。

 準備が整うと、俺たちはハチミツの詰まった新鮮な蜂の巣を分け合って頬張った。

 芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、食欲をそそる。

 一口齧れば、濃厚な甘みが舌の上で広がり、余韻がいつまでも残る。味がなくなるまでしゃぶり尽くし、最後に残った蜜蝋を吐き出した。

 数切れの蜂の巣はあっという間に胃袋に収まった。指に...

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