第269章

予想通りだ。早起きして寒さに耐えろと言った途端、彼らのやる気は霧散してしまった。

 修行には強靭な意志が不可欠だ。それを持たぬ者に、修行の道を歩み続けることなどできはしない。

 俺たちは洞窟に戻り、黒田輝が作ってくれた熱々の魚のスープを囲んだ。皆で車座になり、その温かいスープを分け合う。

 三船亜由美はスープの入った器を両手で包み込み、不安げに呟いた。

「これからもっと寒くなるのかしら……」

「冬はまだ始まったばかりだ。これからもっと冷え込むさ」

 俺は彼女を慰めるように言った。

「なるべく外出は控えて、しっかりと体を休めるんだ」

 大平愛子は手をこすり合わせ、白い息を吐きな...

ログインして続きを読む