第276章

俺は白崎由美子の方を振り向き、軽く笑ってみせた。「白崎由美子、大平愛子の悪いところを真似するなよ。いつからそんな離間工作なんて芸当を身につけたんだ?」

 大平愛子が頬を膨らませて抗議する。「おじさん、私はおじさんの安全を心配してるのよ! 明日は私も一緒にあの二人を捜しに行くんだから、その態度はなによ?」

 俺は肩をすくめて答える。「まあまあ。意味なんて、自分で察してくれよ。お前なら賢いからわかるだろ?」

 大平愛子は呆れたように笑った。「おじさんってば、本当に能天気なんだから」

 軽い口論のおかげか、山の中に張り詰めていた空気は少しだけ和らいだようだ。

 皆は他愛のない話を始め、互...

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