第279章

本田安奈が大きく息を吐き出し、ゆっくりと立ち上がる。俺もそれに合わせて腰を上げた。

 彼女の肩を慰めるように軽く叩き、カエデ林の方角へと先導する。

 道中、大平愛子が俺に寄り添い、不安げに問いかけてきた。「おじさん、さっきのは偶然? それとも罠だったのかな?」

「俺の勘だが、偶然に近い気がする。もし待ち伏せの罠だったなら、反応する隙すら与えられず、ドローンは即座に攻撃を仕掛けてきたはずだ」

 本田安奈が頷いて口を挟む。「いずれにせよ、ドローンに見つかったことで私たちの位置は露呈してしまったわ。カエデ林でデータを集めている二人組も、間違いなく警戒を強めるでしょうね。追撃のドローンが増援...

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