第288章

その時、ジェームズは異様な眼差しで俺を見ていた。

まさにその一瞬の隙を突き、岩本実子がジェームズの懐へと踏み込む。彼女は躊躇いもなく、そのサイドポケットから拳銃を抜き取った。

ジェームズは警戒していたものの、反応が遅れる。岩本実子は果断に引き金を引きながら、何か罵声を浴びせた。

それと同時に、ジェームズの護衛である半袖の男が素早く衣服を脱ぎ捨てると、その姿がフッとかき消えた。

俺は即座に岩本実子とジェームズの方へ向かって駆け出した。あの透明になった男が、本田安奈を人質に取りに行ったと直感したからだ。

「くっ!」

岩本実子の銃口が火を吹き、俺を狙う。だが極度の緊張からか手元が狂って...

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