第434章

のっぺらぼうが水溜まりからゆっくりと立ち上がる。その頭蓋がぱっくりと裂け、中から肉々しい触手が伸びてきた。

(まずい!)

俺は心中で舌打ちし、とっさに跳躍してその場を離脱した。

水溜まりの対岸に着地すると同時に、弾丸のように射出された触手を素手で掴み取る。

背後では、本田安奈が眼前の光景に圧倒されていた。瞳孔は開ききり、恐怖に顔を引きつらせている。

無理もない。こののっぺらぼうの異形、初見で戦慄しない者などいないだろう。

手の中にある触手から、不気味なエネルギーの波動が伝わってくる。俺は眉をひそめた。

突然、背後でドサリと何かが倒れる音がした。振り返ると、本田安奈が地面に倒れ伏...

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