第462章

 そのとき――ひとりの少女が、中年の男と向かい合っていた。

 中年の男は無言のまま近くの戦闘隊員のそばへ歩み寄ると、いきなりそいつの腰から電気警棒を抜き取り、ためらいもなく少女の身体へ叩きつけた。

 その光景が脳裏をよぎり、胸の奥がざわりと波立つ。

 ふいに、スキンヘッドの男の姿が意識の中に現れた。苦痛に歪んだ顔のまま、冷えた声で問いただしてくる。

「海老原和生、おまえは何をぐずぐずしている」

「もう少し待て。瑠璃がまだ狙撃位置についてない」

 スキンヘッドの男の歪んだ表情が、妙に神経を逆なでする。おれは冷たく言い放った。

「作戦の成功率を上げるためだ。おまえは一回、おれの頭か...

ログインして続きを読む