第464章

 目の前の男から、戦う意志が完全に消え失せているのが分かった。

 こうして逃げ場のない追撃を受けている状況で、死ぬ覚悟を最後まで貫ける人間なんて、そう多くはない。

 男はうわ言みたいに繰り返していた。

「殺さないでくれ、情報ならなんでも渡す!」

 口を開いて何か言おうとした、その瞬間だった。

 そいつの頭が、弾け飛んだ。

 血と脳漿が混ざり合ったものが、べちゃっとおれの全身に降りかかる。

 鼻腔をつんと刺す、生臭い匂いが一気に流れ込んできて――意識がはっきりと現実に引き戻された。

 そのときようやく悟る。

 ――こいつら、時間稼ぎをしていやがったな。

 そこまで考えが及ん...

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