第481章

 彼女が指さす方角へと視線を向ける。遥か彼方の空では、いつの間にか雲が燃え立つような鮮やかな夕焼けへと姿を変えていた。

 本田安奈が、小さく息を呑む気配を漏らす。自然というやつは、本当に容赦なく美しい。

 おれは横を向き、彼女の横顔を盗み見る。安奈は目を細め、うっとりとその光景に見入っていた。

 おれの視線に気づいたのか、彼女はふっと笑みを浮かべておれを見上げる。

「おじさん、こんなきれいな夕焼けなのに、ちゃんと見なくていいの?」

「おまえの方が夕焼けよりきれいだよ。おまえを見てると、景色を眺めてるのと同じ気分になるからな」

 さらりと言うと、本田安奈はくすっと笑い、特に突っ込む...

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