第495章

「ここはいささか殺風景ですが、どうかご勘弁を」と、伊藤聡平は申し訳なさそうに言った。

 俺はぐるりと周囲を見回してから尋ねた。

「駐屯している戦士は、全員ここに住んでいるのか?」

 伊藤聡平は頷いた。

「ええ。大半の戦士はこの狼煙台で寝起きしていますが、古株の原始人たちは長城の最北端と最南端にある監視塔に詰められています」

「伊藤瑞葵の住処は、ここよりマシなのか?」

「大差ありませんよ。ただ、あちらは夜風が入ってこないだけマシといったところでしょう」

 その時、足音が近づいてきたかと思うと、逞しい体格をした原始人の男が姿を現した。

 彼は伊藤聡平に向かって、ニカっと笑いかけた...

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