第496章

清らかな海風がふっと吹き抜け、思わず顔をそちらへ向ける。視界いっぱいに、どこまでも続く海が広がっていた。

高くそびえる長城の上から眺める海は、また格別だった。

おれは伊藤聡平の後ろについて、長城に沿って歩き、三つの烽火台を通り過ぎる。

やがて、竹籠がぶら下がっている場所で足を止めた。

おれはその竹籠をじっと観察し、それから伊藤聡平のほうへ振り向く。

「これで下りるのか?」

伊藤聡平はうなずいた。

「ああ。おれたちはみんな、これで下に降りてる」

おれは手を伸ばして竹籠に触れる。指先に伝わる感触を確かめながら、胸の奥にわずかな不安がもやっと湧き上がった。

「……この竹籠、ちゃん...

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