第526章

おれが目を開けたとき、澤口奈津美がすでにすぐそばにいた。

 彼女は薄っぺらい服を身にまとっているだけで、中は何もつけていない。ふたつの白い丘が、布の隙間からちらちらと覗いている。

 さっき前谷鈴音とやり合いすぎたせいか、一時的に奈津美に対してまったく興味が湧かない。情けないやら腹立たしいやらで、複雑な気分だった。

「……おまえ、横でこっそり見物してたのかよ? マジで気持ち悪いんだけど!」

 澤口奈津美はおれの目の前に立つと、そのまましゃがみ込み、わざとおれの視線が谷間に落ちるように胸を突き出してくる。

「なに言ってんのよ。あたしは、あんたたちの声で叩き起こされたの。声を頼りにここま...

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