第532章

おれははっとした。……理想なんて、おれにだってあったはずだろうが。

 底辺から抜け出そうと、必死で足掻く連中の気持ちなら、痛いほど分かる。正直、理想のために戦ってる人間は、誰だろうと尊敬してるんだよな。

 だからだろう、目の前の老いた覚醒者と女の覚醒者に対する嫌悪感も、さっきよりずっと薄れていた。

「教えてくれ。追い払ったエリート同盟艦隊は今どこにいる? もう文明世界に戻ったのか? これからどう動くつもりなんだ?」

 老いた覚醒者が口を開く。

「言えるのはひとつだけだ。あいつらはお前たちを見逃さん。必ず、禁断の島への侵攻を続ける」

「じゃあ、その作戦は? 何をするつもりなんだ、教...

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