第549章

一匹の巨大な犬にしか見えないモンスターが、いきなり鉄柵へと飛びかかってきた。首に巻かれたスタンカラーがバチッと火花を散らし、歯の根が合わなくなるような情けない鳴き声を上げる。

「遺伝子融合実験……そんなことをやってたのね。どうりで海の上であんなに怪獣に遭遇するわけだわ」

大平愛子の声が震える。銃口が、隅の檻に閉じ込められた半人半蛇の生物をなぞるように動いた。

「あの縫い合わせた痕、見て……」

その視線を追って顔を上げる。緑色の液体に満たされたガラスのタンクの中で、ひとつの躯体がぐねぐねと痙攣していた。四肢の先端には、タコの触手そっくりの吸盤がいくつも生えている。

ティックが突然、羽...

ログインして続きを読む