第551章

大平愛子は素早く弾倉を装填し、ためらうことなく引き金を引いた。数秒もしないうちに、何発もの弾丸が吐き出されていく。

だが、燃え盛る瓦礫をかいくぐって飛ぶ弾丸は威力が大きく削がれていた。それに覚醒者たちは時間を操れる。飛来する弾丸の速度をぐっと落としてしまうせいで、大平愛子の弾丸が覚醒者の身体に当たっても、かすり傷どころか、くすぐったいだけといった有り様だった。

赤いマントを羽織ったリーダー格の男は、口元をつり上げる。傲慢で勝ち誇った笑みが浮かぶ。

形勢はかなり危ない。おれは慌てて精神力を叩き起こし、自分と大平愛子、ティックの三人を包み込む防護膜を張った。燃える瓦礫が防護膜にぶつかるたび...

ログインして続きを読む