第554章

瑠璃が、おれにきっぱりと言った。

「海老原和生、まだ本気出してないわよね? あいつらを助けてやろうなんて思ってるんじゃないの?」

胸の奥を、鋭い刃物でえぐられたみたいな痛みが走る。

「……どうしても、殺しきれないんだ」

瑠璃は首を振った。

「アルたちはね、もともとわたしたちと同じ原始族だった。だけど今はエリート同盟の実験体。もう、わたしたちとは何の縁もない存在よ! あんたがこれ以上甘い顔してたら、今度はわたしたちがあいつらに殺される。その時、本田安奈たちはどうなるの? 誰があの子たちを守るの?」

その瞬間、ドン、と岩が弾け飛ぶ轟音が響いた。アルが拳で岩壁を粉砕し、砕けた岩の一塊が...

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