第560章

赤毛は俺の前にひれ伏した。深い傷を負っているせいか、その体は時折ビクッと痙攣している。

俺は慌てて彼を抱き起こし、手近な大きな岩に座らせると、瑠璃に尋ねた。

「何か食い物は残ってるか」

瑠璃が缶詰を一つ取り出し、俺に手渡してきた。

「エッグパウダーなら一缶あるわ」

本来なら水で溶いてから食べるものだが、今はそんな悠長なことを言っていられる状況ではない。俺は手早く缶を開け、赤毛に差し出した。

「早く食って、体力を回復しろ」

赤毛は恐縮しきった様子で、缶詰を受け取ろうとしない。

「我ら下等種族に、神の御食物など恐れ多い……!」

そこで俺は、あえて『神』としての威厳を込めて命じた...

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