第568章

修也の全身から狂ったようにエネルギーが沸き立ち、俺にトドメを刺そうとしたその時、森の奥から突然、悠々たる笛の音が響いてきた。

どこか聞き覚えのあるその音色は、魂の底まで透き通るような安らぎを帯びていながら、同時に万鈞の力を秘めているかのようだった。

修也の動きがピタリと止まり、その瞳に一瞬だけ驚愕の色が走る。

渦巻く霧の中から、木の杖をついた白髪の老人がゆっくりと姿を現した。

丸太小屋で見かけた、てっきり伊藤陸斗に殺されたとばかり思っていたあの老人だ。相変わらず質素な身なりだが、その佇まいは比類なき威厳に満ちていた。木の杖が地面を突くたびに周囲の空気が波立ち、修也が練り上げたエネルギ...

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