第573章

瑠璃が、ぼんやりと変異獣を見つめているおれの顔色に気づいて、首をかしげた。

「海老原和生、何見てるの?」

「この変異獣さ、今までのとは様子が違うんだよ」

不安を押し隠しながら答えると、瑠璃はしゃがみ込んで、砂の上に転がる変異獣をじっくり観察した。だが、彼女にはどこが違うのか分からないようだった。

「どこが違うの?」

「今まで遭遇した変異獣は、全部エリート同盟が薬物を投与して作ったやつだったろ。ああいう薬物投与型の変異獣って、分かりやすい特徴が出るんだ。でも、目の前のこいつには、その“いかにも”ってサインが見当たらない」

「……」

瑠璃は黙り込み、眉間に皺を寄せる。

「じゃあ、...

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