第586章

ティックが言った。

「この途方もない力を、おまえのためにちゃんと使えるようにするにはな……おれとしては、一度試してみたほうがいいと思うんだよ」

だが、そんな途方もない力がもたらす破壊を、ほんとうにおれたちは受け止めきれるのか。

そこでまた、心が揺らいだ。

「海老原和生。おまえ、いま正直どう思ってる」

ティックが問い詰めてくる。

おれは眉間にしわを寄せた。

「……どうしても、決心がつかない」

「おまえら人間ってさ、物事を決められないとき、どうするんだっけ」

「コイン、投げるとか?」

「そう、それだ!」ティックがぱっと羽を広げる。「自分で決められないならさ、コインに決めてもら...

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