第592章

目の前に広がる穏やかな暮らしの光景と、耳に届く和やかな声たちを聞いていると、胸の奥から自然と責任感が湧き上がってきた。

ここにいる誰一人欠けちゃいけない。おれは全力で、このみんなを守らなきゃならない――

「おじさん、何考えてたの?もしかして、わたしが薬草入れたから、スープまずくなっちゃった?」本田安奈がじっとおれを見つめてくる。

おれは慌ててスープをひと口、大きくすすり、わざとらしいくらい幸せそうな顔をしてみせた。

「まずいわけないだろ。めちゃくちゃうまいよ」

ようやく本田安奈の顔に、ぱっと花が咲いたような笑みが戻る。

「おいしいなら、もっとたくさん飲んでね!これから、おじさんが...

ログインして続きを読む