第607章 陣を破る

伊藤拓巳は興奮で声を震わせていた。

「こ……この戦魂の烙印の力、桁外れだ……!」

伊藤直人たちはさらに強く武器を握りしめ、こちらを見る目にはあからさまな崇拝が宿っている。

東條秀祐は身をよろめかせながら起き上がった。激しく上下する胸、こちらを向いた目には恐怖と憎悪がないまぜになっている。

「き、きさま……卑怯だぞ……!」

「おれのどこが卑怯なんだよ? 不満なら、もう一回やってみるか?」

おれは指先をくいっと曲げて、東條秀祐を挑発する。

だが今の東條秀祐に、再び向かってくる度胸など残っていなかった。

おれは鼻で笑い、大剣の切っ先を氷面に突き立てる。刀身を走る竜紋はゆっくりと輝き...

ログインして続きを読む