第611章 散歩を続ける

中元洸があわてて両手を振った。

「とんでもない、とんでもない! 命は大事なんだ、冗談でも投げ出すもんじゃない!」

そう言い終えた中元洸のこぶしが、こっそり汗をぬぐうのをおれは見逃さなかった。

西村亮は、晴れたり曇ったりの目つきで鼻先をいじりながら首をかしげる。

「海老原和生、カエデ林はお前らにとって戦略拠点だろ。そんな重要ポイントを、なんでおれたちにペラペラ教えるんだ? もしある日、おれたちが……ごほ、ごほ」

本田安奈が声を張り上げた。

「禁断の島にはあれだけ毒物があるのに、あなたたち全然怖がってないどころか、攻め込もうとしてたの?」

西村亮があわてて両手を振る。

「誤解だ、...

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