第623章 前谷鈴音の料理の腕前

胸の奥で警鐘が鳴り、俺は即座に覚醒力を高めた。

「行くぞ、ちょっと様子を見てこよう」

本田安奈、大平愛子、白崎由美子、三船亜由美の四人は俺の後ろに続き、キッチンへと足を踏み入れた。

見れば、西村亮が喉仏を上下に引きつらせながら、慌てて両手を振って後ずさっているところだった。その顔には、泣き顔よりも見苦しい愛想笑いがへばりついている。

「誤解です!絶対に誤解です!この塩は……料理人が間違えて用意したもので、本当は干し肉を燻製にするための硝石なんです!」

そう言い訳しながら袖口で汗を拭う西村亮だが、その視線の端はハッチの入り口に立つ中元洸を絶えず窺っている。

中元洸は乾いた笑いを二度...

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