第634章 ホラ吹きの芸術

もっとも、そう言ってみせたところで、ジャック船長の頭の上には依然として大きなはてなが浮かんだままだった。どうしても腑に落ちない、とでも言いたげな顔だ。

 額に手を当てて考え込んだ彼は、ぶつぶつと独り言を漏らす。

「東條秀祐があんたらに頭下げて、師匠なんて呼ぶわけねぇだろ? 信じられねぇ! どう考えてもおかしい!」

 ジャック船長がそこまで割り切れずにいる理由は、おれにもよく分かっていた。だから女たちに視線で合図を送り、わざと自分たちの実力を大げさに盛って、ジャック船長をビビらせるよう示す。

 大平愛子が真っ先に反応した。わざと落ち着き払ったふりでゆっくりと立ち上がると、佩いている剣を...

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