第641章 困難な交渉

ちょうどその時、ドアの外から騒がしい足音が響き、江口征矢が勢いよく扉を蹴破って入ってきた。顔に包帯を巻いた彼の目は、陰湿な光を放っていた。

「海老原和生!よくも俺をこんな目に遭わせてくれたな。今日のところは絶対に血で償わせてやる!」

俺は勢いよく立ち上がり、奴と真っ向から視線をぶつけた。

「昨夜バーで何も不埒な真似はしていないと、長老たちの前でもう一度言えるか?」

江口征矢が無意識に半歩後ずさる。その微細な動きは、その場にいる全員の目にしっかりと焼き付いた。

それでも奴は、強がって否定してみせた。

「俺はこの女性に対して、いかなる暴行も働いていない。護衛の者たちが証人だ!」

俺...

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