第662章 エスコート役

おれは五指をゆるく曲げ、爪を立てるように前へ突き出した。額のあたりを走る暗紅の紋様がぱっと輝き、沸き立つ精神力が、黒い炎そのものと化して全身から噴き上がる。

西村亮の瞳孔がぎゅっと縮み、張り裂けるような悲鳴が途中でぷつりと途切れた。目に見えない圧がやつの全身を宙へと吊り上げ、皮膚の下で血管がミミズのように蠢き盛り上がり、眼球は今にも眼窩から飛び出しそうだ。

「海老原和生様! お助けを!」

命乞いの声は、やがて砕けた嗚咽に変わる。骨という骨が精神力の締めつけに耐えきれず、炒り豆をはじくような破裂音を立てていった。

おれはその光景を冷ややかに見据え、指先を軽く弾く。次の瞬間、西村亮の身体...

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