第668章 反転

本田安奈が俺の腕を掴んだ。十本の指がぎゅっと肉に食い込み、二人の大きな瞳が錐みたいに俺を射抜いてくる。

「おじさん、安田晶彦首領と真紀のこと、もう助ける手立て考えてあるんでしょ?」

俺は口元に意味ありげな笑みを浮かべて、ぱちんと彼女たちにウインクしてみせる。

「何でもかんでも口に出したら面白くないだろ。ま、とにかく言えるのはさ――この勝負は、まだ始まったばっかりってことだな」

「ティック、精鋭連盟取締役会の進行状況、文字での中継を続けてくれ」

ティックが機械の羽根をぶるっと震わせる。

「了解しました!」

「現在、五大長老が投票中……」

「五大長老は安田晶彦首領に投票……」

...

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