第7章

あの裁判所の階段で福田大輔と森田誠を置き去りにした後、私は何時間も人気のない通りを歩きながら、彼らの打ちひしがれた表情を繰り返し思い出していた。

罪悪感、絶望、そして私が許してくれるかもしれないという哀れな希望――あまりにも、たやすかった。

真夜中ごろ、私はあのみすぼらしいホテルに戻った。疲れ果ててはいたが、満足感はあった。第三段階が、動き出したのだ。

今井綾香は、私を長く待たせはしなかった。

彼女の復讐は、血のように赤い十二本の薔薇という形でやってきた。私がコンビニに行っている間の午前三時に届けられたらしい。ベッドの上に散らばった花々と、彼女の完璧な筆跡で書かれたメモを見...

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