第7章 愛はすべてに対抗できる!燃えろ!悪毒な女配!

病院の外で、藤原安が担架で救急処置室に運ばれていく光景が、血塗られた絵巻のように私の目に焼き付いていた。彼の着ていた白い服はすっかり血に染まり、顔色は紙のように真っ白だった。

担架に乗せられる最後の瞬間まで、彼は弱々しくも確固たる声で私を安心させようとした。

「玲文、心配するな。先に学院へ戻りなさい。あとは私がなんとかする」

彼の言葉はあまりにも聞き慣れたものだった。まるで七つの頃からずっとそうだったように、私がどんな過ちを犯そうとも、彼はいつもこの一言——「あとは私がなんとかする」——を口にするのだ。

姫川澄が私の隣に立っていた。いつもは水面のように静かな彼女の瞳が、今は...

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