第3章

葬儀は三日後に斎場で行われた。

こぢんまりとして、静かだった。誰もが互いに距離を置き、まるで死が伝染病ででもあるかのような葬儀だった。

父に友人は少なかった。この辺りの農家の連中は大抵父を知っていたが、好いてはいなかった。父は気難しく、すぐに癇癪を起こした。境界線や用水路の管理をめぐって、相手がうんざりして立ち去るまで言い争うような男だったからだ。

洋子の実家は、彼女が父と結婚して以来、絶縁状態だった。何年か前、一度だけ母親から電話があり、間違いを犯していると告げられたそうだ。洋子は電話を切り、二度とかけ直さなかった。

だから、斎場に集まった参列者は少なかった。義理で顔を出した近隣住民が数人と、後ろの方で帽子を手に立っている圭助。父の顧問弁護士。それに町から来た、名前も知らない数人だけだ。

私はリサイクルショップで買った黒いドレスを着ていた。肩幅は広すぎ、ウエストはきつすぎたが、安くて黒かった。重要なのはそれだけだ。

祭壇の前に立ち、僧侶の読経に耳を傾けた。言葉は雨のように私の上を通り過ぎていった。聞こえてはいなかった。聞く必要もなかった。

風は冷たく、私の髪を引っぱり、涙を誘った。周囲は私が泣いていると思っただろう。

私は泣いてなどいなかった。

式が終わると、人々がお悔やみを述べに近づいてきた。「この度はご愁傷様でした」「心よりお悔やみ申し上げます」「何かお手伝いできることがあれば」といった言葉をかけられる。

私は深くお辞儀をし、礼を言い、彼らが立ち去るのを見送った。

原野良子はずっと参列者の後ろに立っていた。私が到着した時にはすでに彼女の姿があり、灰色の空を背景に、パリッとした暗色のスーツが際立って見えた。式の間、前に出てくることはなかった。何も言わず、ただそこに立ち、じっと見ていた。

誰もいなくなると、彼女は歩み寄ってきた。

「月菜さん」

「原野刑事」

彼女は何十センチ離れたところで足を止めた。話すには十分近く、私に空間を与えるには十分な距離だ。

「どう、持ちこたえてる?」

「大丈夫です」と私は言った。

「そういうことを聞いてるんじゃないのよ」

私は彼女を見た。その表情は読みづらかった。敵意はないが、温かみもない。職業的な顔つきだ。私が被害者なのか、それとも容疑者なのかを見極めようとしているようだった。

たぶん、その両方なのだろう。

「なんとかやってます」私は答えた。

良子は頷き、祭壇に視線をやった。

「三週間で三人が亡くなった」と彼女は言った。「誰にとっても、受け止めるには重すぎるわね」

「そうですね」

「ましてや、まだ一七歳のあなたには」

私は答えなかった。何を言ってほしいのか分からなかったからだ。

良子は私の方に向き直った。その目は鋭く、そして忍耐強かった。相手がボロを出すのを一日中でも待っていられるような目だ。

「話があるの」彼女は言った。

「もう話しました。二回も」

「ええ、知ってる。でも、まだ聞きたいことがあるのよ」

私は奥歯を噛み締めた。「事件は解決したはずです。光太郎の死は事故、火事も事故だと判断されました。これ以上、何を話すことがあるんですか?」

「一つの家族で二つの事故」良子は言った。「とんでもない偶然ね」

「人生にはよくあることです」

彼女は小首を傾げた。「この仕事で学んだことを教えてあげましょうか? この世に偶然なんてものはないの。あるのは、人が気づこうとしない法則だけ」

私は腕を組んだ。風がドレスを通して肌を切り裂くように冷たい。「刑事さんには、どんな法則が見えているんですか?」

良子は一瞬沈黙した。それからこう言った。「居場所のない少女。早すぎた父親の再婚。彼女を疎んじた継母。そして、彼女が持っていないすべてを持っていた幼い少年」

彼女は言葉を切った。その言葉を宙に漂わせるように。

「そして今は? 今や彼女はすべてを手に入れた」

胸の奥で何かが熱く燃え上がった。怒りかもしれない。あるいは恐怖か。もう私にはその区別がつかなかった。

「私が何かしたと思うなら」私は低い声で言った。「逮捕すればいい」

「できないわ」良子はあっさりと答えた。「証拠がないもの。あるのは勘だけ」

「勘だけで人を刑務所にはぶち込めません」

「そうね」彼女は認めた。「でも、質問を続ける理由にはなる」

私たちはそこで対峙した。斎場にはもう誰もいない。私たちと遺影、そして鉄の門を通り抜ける風の音だけだ。

放っておいてくれと言いたかった。解くべきパズルのように私を見るのをやめてくれと。家族を埋葬し、前に進ませてくれと。

だが、彼女がそうしないことは分かっていた。原野良子は物事をあやふやなままにしておくタイプではない。

ついに彼女はため息をついた。ポケットから名刺を取り出し、差し出した。

「国道14号沿いにがあるわね」彼女は言った。「ランチでもしながら話しましょう。内緒の話ですが」

私は名刺を見つめたが、受け取らなかった。

「どうして?」

「この話には続きがあると思うからよ」と良子は言った。「そして、それが何かをあなたが知っているともね」

「知っていることは全部話しました」

「かもね」彼女は言った。「でも、もう一度聞きたいの。弁護士も、書類も、公式な供述書も抜きで」

彼女は名刺を差し出したまま待っていた。

断ることもできた。これ以上話すことはないと言うことも。立ち去って農場に戻り、パトロールですれ違う時以外は二度と会わないようにすることもできた。

だが、良子は止まらないだろう。掘り下げ続け、聞き続け、監視し続けるはずだ。

ならば今、向き合った方がいい。私の土俵で。

私は名刺を受け取った。

「いつですか?」

「今からどう?」良子は言った。「他に予定がないならだけど」

予定などなかった。牧場は一時間後もそこにある。家畜には餌が必要だろう。納屋もまだそこに建っているはずだ。空っぽのまま、私を責めるように。

「分かりました」私は言った。

良子は頷いた。「私の車で行くわ」

「車があります」

「じゃあ、ついてきて」

彼女はパトカーへと歩いて行き、ドアを開けた。そして屋根越しに振り返って私を見た。

「いいファミレスよ。郡で一番コーヒーが美味しいの。あなたにはそれが必要そうな顔をしてる」

私は彼女の後に続いた。

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