第10章 仕事の紹介

私は村田隆の意向に逆らうことができず、静かに座って朝食を食べ始めた。

村田隆の表情はだいぶ和らぎ、淡々と口を開いた。

「調査したんだが、君は今職に就いていないね。ちょうど私は新しいアパレル会社を立ち上げているところで、デザイナーが何人か足りないんだ」

私は少し躊躇した。結局、専門分野では私は突出しているわけではないのだから。

「村田社長、ご好意には感謝しますが、私にはおそらく適していないと思います」

村田隆は眉を上げ、意味ありげに私を見つめた。

「私の目が悪いと言いたいのかね?」

私はハッとして、慌てて手を振った。

「そういう意味ではありません……」

「私が評価しているのは...

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