第11章 アナを助ける

筆試が始まり、私は心を落ち着かせて、真剣に問題に取り組み始めた。

筆試が終わると、杉本健一が前で、結果は二日後にメールで通知すると発表した。

私が帰ろうとしたとき、足がふらつき、危うく転びそうになった。

杉本健一が素早く反応し、私をひと掴みで支えてくれた。

「安野さん、大丈夫ですか?」

私は杉本健一につかまりながら、何とか体勢を立て直した。

「大丈夫です、多分低血糖がまた出ただけです。杉本さんはお先にどうぞ、私は少し休めばよくなりますから」

杉本健一はうなずいたが、他に用事があるため、先に立ち去るしかなかった。

私はベンチに座り、カバンからチョコレートを取り出して食べ始めた。...

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