第19章 口先だけ

月曜日の朝早く、私は会社のビルの下に到着しました。

これから勤務する場所を見上げると、私の気持ちは特別に晴れやかでした。

「緑川服装デザイン株式会社!」

私は心の中で唱えました。ここが、これからの私の職場になるんだ!

「あっ、恭子ちゃん!」

聞き覚えのある声が聞こえてきて、振り向く間もなく、熱い抱擁に包まれました。

頬が柔らかいものに触れて、私はまばたきを繰り返しました。信じられない、本当に36Dの人がいるなんて!

私がずっと動かないでいると、アナは慌てて手を離しました。

「ごめんね、私が熱心すぎたわ。驚かせちゃった?」

私は急いで首を振りました。

「そんなことないです。...

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