第21章 さようならクズ

私が駆けつけた時、佐藤明正が入口に立っていた。

「安野さん、来たね。さあ、中へどうぞ」

人数が多かったので、バイキングレストランは私たちのために大きな個室を用意してくれていた。

何杯かお酒が入ると、場の雰囲気も盛り上がってきた。

何杯飲んだか分からないが、頭がちょっとクラクラしてきたので、トイレに行くと言い訳して個室を出た。

手を濡らして顔をパタパタと叩くと、少し頭がすっきりしたが、まだ胸が少し苦しく感じた。

すぐには戻らず、廊下のテラスに出てみた。

手すりに寄りかかって夜景を見下ろしていると、微風が吹き、わずかな涼しさをもたらした。

目を閉じると、この間に起きたすべてのこと...

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