第23章 欲望

「じゃ、ここで待ってるよ。後で車で病院に連れて行くから」

私は瞬時に目を見開いた。村田隆は何を言っているの?彼が私と一緒に父に会いに行くつもり?

「村田社長、これは...」

村田隆は何も言わなかったが、その表情は一切の異議を許さないものだった。

仕方なく、私は佐藤明に電話をかけ、少し飲みすぎたから先に帰ると伝えた。

佐藤明は私一人で帰ることを心配して、送ると言ってきた。

私の隣には大物が立っているのに、佐藤明に送ってもらうなんてとてもじゃないけど無理だった。

急いで嘘をついて、電話を切った。

村田隆は私を見て、私の機転に満足げな様子だった。

彼の車に乗り込むと、村田隆は何か...

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