第37章 天地がひっくり返る

数日後、私は退院した。

杉本健一が私を村田隆の家まで送ってくれた。村田のお母さんはそれを知ると、少し不満そうな表情を浮かべたものの、結局は何も言わなかった。

岡田さんは私の痩せこけた頬を見て、とても心配そうにした。

「辛かったね、今は何も考えなくていいよ。ちゃんと面倒を見るから」

私は頷いて、疲れ切った様子で寝室に戻り、熱いシャワーを浴びてからベッドに横になった。

隣には村田隆特有の匂いがして安心感を覚え、私はすぐに深い眠りに落ちた。

けれど、私の眠りは安らかではなかった。何度も夢を見た。

夢の中で、村田隆は他の女性と一緒にいて、二人が楽しそうに笑い合っている姿が私の心を深く刺...

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