第43章 待つ

この頃の日々は少し辛かった。在宅勤務を続けたいと申し出たが、村田隆に断られてしまった。家でじっとしていると、本当にカビが生えそうだった。

幸い中川瑶がいて、時々訪ねてきては退屈を紛らわせてくれた。

ようやく体調が少し回復したので、中川瑶と一緒に父を見舞いに病院へ向かった。

毎日の費用はかなりかかるものの、村田隆がバックアップしてくれているので、安心していられる。

介護士は私を見るなり、熱心に迎えてくれた。

「安野さん、しばらくお見かけしませんでしたね」

私はうなずいた。

「ええ、最近ちょっと忙しくて。父の様子はどうですか?医師は目覚める時期について何か言っていましたか?」

介...

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