第46章 ドレスを選ぶ

「山崎奈緒美のところは、どうしても行きたくなければ行かなくていいよ」

私は首を横に振った。

「いいえ、行くわ。これは顔を出すチャンスなの」

「村田隆はわたし、安野恭子の夫だということを皆に知らせたいの。もし彼女たちが横恋慕するなら、絶対に許さないわ!」

認めないわけにはいかない。私はとても小心者で、村田隆を自分のものと決めた以上、他の人を許すつもりはない。

同様に、村田隆の心の中にも私だけでいてほしい!

村田隆は口元をほんの少し上げると、アクセルを踏んで前回服を買ったお店へと私を連れていった。

店長は私たちを見るなり、熱心に出迎えてくれた。

「安野さん、今回はどのような服をお...

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