第9章 沈む
ドアを開けた途端、中から伸びた手が私を引っ張り込み、ドアに押し付けられた。
部屋の中は明かりがつけられておらず、真っ暗な環境に不安を感じて、思わず体が小刻みに震えた。
でも村田隆特有の匂いを嗅いだ途端、なぜか心が落ち着いた。
彼が私の首筋に顔を寄せ、鎖骨を軽く噛んだ後、手探りで唇を求めてきた。
熱い舌先が口内を探るように動き、私は不意を突かれて、慌てながらも応えた。
いつの間にか、私の両手は無意識に彼の首に回っていた。
両足で彼の腰に絡みつき、全身で彼にしがみついていた。
そして、彼の片手が腰から私のシャツの中に入り込み、乱暴に這い回るのを感じた。
思わず足を閉じると、下半身で彼のそこが私にぴったりと押し当てられているのを感じた。
彼は手を上げて私の服を脱がし、熱い唇が下へと移動し、私の肌を一寸一寸と占領していった。
ほぼ裸の背中が冷たいドアに触れ、思わず身震いした。
廊下とはドア一枚隔てただけだということに突然気づいた。
誰かが通りかかって聞こえてしまうのではないかと心配になり、彼の首に手を回して言った。
「ダメ、ここじゃなくて...ベッドで」
村田隆は何も言わず、ただ私にキスしながら抱き上げた。
彼は私を柔らかいベッドに置くと、すぐに大きな体で覆いかぶさってきた。
緊張して足を閉じようとしたが、彼はすでに私の脚の間に入り込んでいた。
「リラックスして、こういうことは楽しいものだろう?」
そう言うと彼は自分の服を脱ぎ、私の足を開いて中に入ってきた。
言わずもがな、村田隆は手慣れていた。彼のリードに導かれ、私は徐々に溺れていき、束の間すべての悩みを忘れた。
村田隆はまるで無限のエネルギーを持っているかのように、一晩中、何度も何度も私を求めた。
いつ眠りについたのか覚えていないが、再び目を覚ますと、すでに明るい朝だった。
村田隆は私のすぐ横に横たわり、黒い瞳で私をじっと見つめていた。
彼は本当に格好良かった。高い鼻筋、はっきりとした顎のライン、そして桃の花のような目は、誰を見ても色気があった。
「起きたか?朝食はそこにある。何か食べたらどうだ」
そう言って、彼が先に起き上がると、村田隆はすでに服を着ていることに気づいた。
ベッドの脇にきれいな女性用の服があるのを見て、尋ねた。
「これ、私のですか?」
村田隆は眉を上げ、足を組んでソファに座った。
「破れた服で外に出たいのか?」
そう言われて思い出した。昨夜、興奮した時、私のスカートは村田隆の手の中で布切れになっていた。
少し恥ずかしく思いながらも服を着ると、意外にもぴったりだった。
「ありがとう村田社長、こんなに助けてもらって、お礼の言葉もありません」
「身体で報いるなんて芝居はしないでくれれば、それが一番だ」
村田隆の口調は冷たく疎遠で、まるで昨夜の熱情は夢だったかのようだった。
私は袖をぎゅっと握りしめ、小さく頷いた。
ちょうど出ようとしたところで、再び村田隆に呼び止められた。
「言っただろう。朝食を食べてから行け。それに、まだお前にやってもらいたいことがある」





















































