第4章
冬花視点
大輔さんに続いて屋敷に足を踏み入れた瞬間、私は完全に息を呑んだ。
床から天井まである一面のガラス窓が、果てしなく青い太平洋を映し出している。リビングの天井はあまりに高くて、てっぺんを見るには首が痛くなるほど見上げなければならなかった。至る所にモダンアートが飾られていて――ここに置かれた装飾品一つだけでも、私の年収より高価だろうと、ざっと見積もった。
「このボタンでカーテンを操作できる」大輔さんが壁のタッチパネルを指差す。「こっちはプールの水温調整、これは音響システム……」
迷路のようなボタンの数々を前に、私は目が回りそうだった。「私は犬のお世話をしに来ただけです。...
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