第9章

冬花視点

「あなた、誰?」私は後ずさった。「何が望みなの?」

女はドアを閉め、こちらを振り向いた。ようやくその顔がはっきりと見えた――二十代、金髪、そこそこ整った顔立ち。だが、その目には狂気が宿っていた。

「私は沙織」彼女はスタンガンを掲げ、吐き気のするような笑みを浮かべた。「大輔様の忠実な信者だよ」

心臓が止まるかと思った。「つけてきたの?」

「つけてきた?」沙織は狂ったように笑った。「私は大輔様を『守って』るのよ! このクソアマが! あんたなんかが、あの方のそばにいる権利があると思ってんの?」

「聞いて、私はもう彼とは……」

「黙れ!」沙織は私に詰め寄ってき...

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