第4章

 視線を前へと滑らせる。譜面台のような読書台の上に、分厚い革装丁の日記帳が置かれていた。

 震える手でそれを取り上げた瞬間、錯乱したように荒く、ギザギザとした万年筆の走り書きが目に叩きつけられる。

「ついに彼女と結婚した。だが依存は悪化する一方だ。手袋なしで触れたら、狂犬みたいに彼女を引き裂いてしまう気がして怖い。手を放したら、窓のないこの部屋に閉じ込めてしまうだろう。彼女が見るのは俺だけ――そうしてしまう」

 指の隙間から、堪えきれない笑いがこぼれ落ちた。

 絶対的な滑稽さの震えが、むき出しの陶酔にも似た勝利感と絡まり合いながら背筋を這い上がってくる。結婚して一年。初めて、ようやく...

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