15: 近づいていい?

カーン視点

俺は一歩横にずれ、テントの垂れ布を引いて開けた。小娘と、あの神様も見放したような醜い化け物が通り過ぎるのを待ったが、二体とも動こうとしなかった。

「あいつ、ここには入れないと思う」小娘が、まだしっかりと抱きついている化け物の方を顎で示しながら呟いた。

正直なところ、なぜ彼女がそこまで頑なにそいつに触れ続けようとするのか、俺にはさっぱり理解できなかった。デカすぎるし、醜すぎるし、近寄るには臭すぎる。

腐った肉と血の匂いが、そいつを魅力的に見せることなど全くなかった。

「わかった」俺は囁き、二人を見比べてから、鋭く頷いた。「代わりに治癒師をここに呼んでくるというのはどうだ? ...

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