28: 私に恋して。

エイファ視点

ザイオンが目を覚ましたという知らせを聞いた瞬間、俺の中の血が凍りついた。

本当に、胸が締め付けられ、一瞬、このまま崩れ落ちるのではないかと思ったほどだ。反射的に横を向くと、エイファがすでに立ち上がって俺を引っ張り、ザイオンの様子を見にテントから駆けだそうとしていた。

「待ってくれ」不意に、絞り出すような声が出た。もはや自分のものとは思えない声に吐き気がする。「頼む、少しだけ時間をくれ」

エイファは立ち止まり、俺に目を向けた。その美しい顔には心配の色が浮かんでいる。「私――」と言いかけて、すぐに口をつぐむと、俺を安心させるように鉤爪を握りしめてくれた。「わかったわ。まずは深...

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