35: 何かを隠している。

エンゾ視点

偵察隊のライオンたちは、俺が何かとんでもない凶報でも伝えるのではないかと、そんな顔でこちらを見ていた。一方、カーンは近くを行ったり来たりと落ち着きがない。その巨体から放たれる神経質な雰囲気は、数フィート離れていても肌で感じられるほどだった。

数秒ごとに、奴はテントの入り口にちらりと視線を送る。まるで、見えない脅威が現れて俺たちの生活すべてを台無しにするのを警戒しているかのようだ。無理もない。奴が神経を尖らせるのには理由がある。だが、もしまたこの会議から抜け出そうものなら、容赦はしない。

「じろじろ見すぎだ」と、俺は小声で呟いた。ほとんど独り言のつもりだったが、カーンの耳には届...

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