55: 自殺しないでください。

アイフェ視点

ベインとの話し合いを終えた私は、ザイオンとカーラのテントへ向かった。一歩進むごとに心臓が激しく脈打つ。キャンプは好ましくないほど静まり返っていたが、早朝の冷気はどこか心地よくさえ感じられた。これから自分の言葉で打ち砕かなければならない平和の、偽りの感覚を与えてくれるかのようだった。

やがてテントに足を踏み入れると、すぐに二人から放たれる、よく知った温かさと心配の入り混じった空気に包まれた。ザイオンはベッドの端に腰掛け、指を緩く組んでいる。一方カーラは壁に寄りかかり、隅の方にある何かをじっと見つめていた。

私が入ると、二人とも顔を上げた。自分の決断が彼らを心配させてい...

ログインして続きを読む