第29章

クロエ・モーガン の視点

 私はドミニクの服をつかみ、心の中で完全にリラックスした。

 ドミニクの体の匂いを嗅ぎながら、ただただ安心感を覚えた。

 「ドミニク、今日迎えに来てくれてありがとう。あなたがいなかったら、あとどうなっていたか分からないわ」

 私はまだグレースの話し方を身につけられていないのだと思う。必死にリアムとの関係を否定しようとしたのに、グレースはたった二言で私をボロボロにしてしまった。

 もしドミニクが来ていなかったら、ハーパーは確実に手を出していただろう。結果は深刻なものになっていたはず。

 ドミニクは私の額にキスをした。

 「クロエ、お前が必要とする時は、俺...

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