第31章

 オーディションで演じる役は団長が決めたもので、だから私とグレースの衣装は同じではなかった。

 私が割り当てられた役は素晴らしい設定で、グレースが与えられた役よりもずっと魅力的だった。

 もし私が自分の衣装をグレースに渡すなら、それはこの役を彼女に譲ることを意味し、私は別の役を選ばなければならない。

 だからこそ、ハーパーは私の決断に反対したんだ。

 「クロエ、もちろんあなたの実力は信じてるわ。でもこんなことする必要なんて全くないじゃない」

 「あの子はこれがあなたのせいだって証明できないのよ。あなたがやったことじゃないなら、彼女の演技がどうなろうとあなたには関係ないわ!」

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