第5章

 キャンパスにて。

 私は宙に浮かび、修二と麗奈が手をつないで歩く姿を冷ややかに見下ろしていた。

「修二……」麗奈は立ち止まり、涙ぐんだ瞳で彼の胸に寄り添った。

「あなたが私の実家にいた頃、私、ずっとあなたのことを見ていたの。お父様の手下たちがあなたをいじめるのを見るたび、部屋で一人泣いていたわ。でも、当時の私はあまりにも無力で……。西園寺の娘といっても、ただの厄介者でしかなかったから。あなたを守る力なんて、これっぽっちもなかったのよ」

 修二の表情がたちまち和らいだ。彼は優しく彼女の髪を撫で、穏やかな声で言った。

「分かっているよ、麗奈。あの頃のお前は、自分の身を守るだけで精一杯...

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